宝石
結婚指輪のブランドを独断と偏見で仕分けする
結婚指輪って、たぶん人生でいちばん長く身につけるアクセサリーなんだよね。朝の歯みがきのときも、スーパーで重たい袋を提げるときも、ずっと指にいる。そう考え始めると選ぶ基準がわからなくなって、気づけばブランドの名前で迷っている。
というわけで、横を「手が届くか、背伸びか」、縦を「みんな知ってるか、知る人ぞ知るか」にして、10のブランドを勝手に並べてみた。
勝手に地図
ウィンストン 銀座ダイヤモンド
シライシ 俄 ショーメ
値段を調べて並べたわけじゃなくて、名前を聞いたときの「高そう」「みんな知ってそう」という印象で置いています。指輪の良し悪しとは関係ありません。
ティファニー
水色の箱。もうそれだけで話が終わる。
あの色の紙袋を提げて歩いている人を見かけると、知らない人なのに少しだけ祝福したくなる。ここで結婚指輪を選んだふたりは、たぶん箱もリボンも捨てられない。引き出しの奥に、あの水色がずっと住み続ける。
地図ではいちばん上に置いた。誰に見せても説明がいらないって、それだけでかなり強い。
ただ、箱が強すぎて、中身の指輪より箱の写真のほうが多く撮られている気もする。
カルティエ
ネジのモチーフと聞いて、すぐに顔が浮かぶ人は多いと思う。
「ラブ」という名前がついたあのデザインは、約束をそのまま形にしたみたいで、結婚指輪にするには話が出来すぎている。持っているふたりは、たぶん結婚記念日のレストランを毎年ちゃんと予約する。
背伸びの側に置いたけど、背伸びしたぶんだけ、ずっと背筋が伸びていそうなブランド。
ネジのモチーフを見て、ロマンチックだと思うか、ホームセンターを思い出すか。そこでたぶん、ふたりの相性がわかる。
ハリー・ウィンストン
ダイヤモンドの話をするなら、避けて通れない名前。
この地図の右側は、ほぼこのブランドのためにあると言っていい。お店に入るのに少し勇気がいる、という印象まで含めてブランドなんだと思う。ここの指輪をしている手は、つり革を持っている姿まで、なんとなく優雅に見えそう。知らんけど。
値段を聞く前に、深呼吸を一回しておいたほうがいい店。
ブルガリ
指輪を見た瞬間に、どこのものか言い当てられるブランド。
らせん状に重なった、あの太めのリングの印象が強い。シンプルな結婚指輪の中に混ざると、ひとりだけローマから来た感じがする。華奢な指輪だと物足りない人には、これくらいの存在感がちょうどいいはず。
ただ、ひとりだけローマから来た指輪は、ひとりだけローマから来た目で見られる覚悟もいる。
ショーメ
ティアラの印象が強いブランド。結婚指輪の候補としては控えめに名前が挙がる気がするけど、知っている人はちゃんと知っている。
繊細なラインの指輪が多くて、はめると手の甲まですっと細く見えそう。ドレスを選ぶのと同じ目線で指輪を選びたいなら、ここがしっくりくる気がする。
名前を出すと「どこの?」と聞かれる確率はそこそこ高い。そのたびに、ナポレオンの時代の話から説明を始める人もいそう。
ミキモト
真珠のイメージが強すぎて、ダイヤの指輪を売っていることを一瞬忘れてしまう。
でも、真珠をずっと扱ってきたブランドの指輪だと思うと、それだけで品のよさが約束されている気がする。冠婚葬祭のたびに、真珠のネックレスと指輪のブランドがそろうの、ちょっとうらやましい。
ミキモトの指輪だと言うと、たいてい「真珠の?」と聞き返される。そのたびに、いえダイヤです、と答えることになる。
4℃
ジュエリーのブランドとして、名前を知らない人はたぶんいない。
駅ビルやショッピングモールで見かけることが多いぶん、身近さでいえばこの地図でいちばん。結婚指輪も、肩ひじ張らずに見に行ける雰囲気がある。特別な日の買い物を、いつもの買い物の延長でできるのは、実はけっこうありがたいことなんだよね。
俄
京都のブランドで、指輪のひとつひとつに和の名前がついている。
名前の由来を聞きながら選んでいると、指輪を選んでいるというより、ふたりの話に題名をつけている気分になってきそう。派手さで勝負しないぶん、近くで見たときの細工がきれい。
知る人ぞ知るの側に置いたのは、知った人がたぶん誰かに教えたくなるから。
ただ、指輪の名前の由来をふたりでよどみなく語れるようになるまでに、たぶん何回か店員さんに聞き直す。
銀座ダイヤモンドシライシ
結婚指輪を探し始めた途端に、急に名前を見かけるようになるお店。
婚約指輪と結婚指輪の話をするために存在しているような専門店で、デザインの数がとにかく多い印象がある。迷うのが楽しい人には天国で、迷うのが苦手な人には少しだけ試練。それでも、相談しながら決めていく時間ごと思い出になりそうなのがいい。
広告を見かける回数が多すぎて、結婚の予定がまったくない人まで名前を覚えている。
アイプリモ
ここもブライダルの専門店。ふたりで店に入ると、まず「おめでとうございます」と言ってもらえそうな、祝われる場所としての安心感がある。
指輪の内側に入れる言葉で一晩悩むふたり、たぶんここの常連にいる。日付にするか、短い言葉にするか。そういう悩みに付き合ってくれそうな雰囲気が、このお店の好きなところ。
シライシとの違いをちゃんと説明できる人は、たぶん実際にどちらかで指輪を買った人だけ。
まとめ
並べてみると、結婚指輪は「誰もが知っている安心」と「自分たちだけが知っている楽しさ」の間で揺れるものなんだと思う。どっちを選んでも、毎朝つけているうちに、それがいちばん見慣れた指輪になる。
結局は、ブランドの名前より、十年後の自分の指に似合うかどうか。そう書きながら、水色の箱にはやっぱり弱い。
※この記事は個人の独断と偏見です